日本の50大法律事務所 2014

Sorry, this is Japanese & Chinese version.
English version is here.

 一部のマニアの皆さん、お待たせしました。昨年は諸事情から更新しませんでしたが、再び更新しました。2014年4月1日現在の、日弁連名簿に基づく弁護士人数に関する50大法律事務所をまとめたものです。

 2004年4月のものは、こちら
 2005年4月のものは、こちら
 2006年4月のものは、こちら
 2007年4月のものは、こちら
 2008年4月のものは、こちら
 2009年4月のものは、こちら
 2010年4月のものは、こちら
 2011年4月のものは、こちら
 2012年4月のものは、こちら

 抜けていない・・・と思いますが、もし抜けていたら、ご指摘下さい。

 
20
14
Ra
nk
20
12
Ra
nk
20
10
Ra
nk
20
08
Ra
nk
20
06
Ra
nk
事務所名(日文)事務所名(中文) 事務所所在地本年弁護士人数(日弁) 外国法事務弁護士 66期65期 64期63期 62期61期 一昨年人数
(日弁)
日弁増減(一昨年比)備考
1 11 13 西村あさひ法律事務所西村朝日律师事务所 東京、大阪、福岡、名古屋 473 4 25 19 16 36 44 28 469 4※1
2 33 32 森・濱田松本法律事務所森滨田松本律师事务所 東京、福岡336 1 32 22 12 23 25 32 308 28※1
3 22 21 長島・大野・常松法律事務所长岛大野常松律师事务所 東京317 6 19 25 22 29 23 22 336 -19 
4 34 44 アンダーソン・毛利・友常法律事務所安德森毛利友常律师事务所 東京・名古屋296 4 14 15 15 22 29 21 316 -20※1
5 55 56 TMI総合法律事務所TMI综合律师事务所 東京・名古屋292 5 26 17 14 18 16 26 241 51※1
6 925 -- 弁護士法人アディーレ法律事務所律师法人adire律师事务所 東京(豊島区)、旭川、釧路、札幌、函館、青森、八戸、盛岡、仙台、福島、郡山、水戸、宇都宮、大宮、高崎、丸の内、新宿、北千住、立川、町田、千葉、横浜、川崎、沼津、静岡、浜松、新潟、長岡、富山、金沢、長野、松本、名古屋、岡崎、岐阜、四日市、滋賀草津、京都、大阪、堺、奈良、和歌山、神戸、姫路、広島、福山、岡山、高松、松山、徳島、福岡、小倉、熊本、長崎、佐世保、佐賀、鹿児島、那覇、沖縄胡屋127 0 23 34 30 18 11 5 87 40※2
7 77 77 シティユーワ法律事務所城市融合律师事务所 東京126 0 3 7 6 5 5 12 114 12 
8 88 88 弁護士法人大江橋法律事務所律师法人大江桥律师事务所 大阪・東京110 6 5 6 6 5 6 5 104 6 
9 66 68 ベーカー・アンド・マッケンジー法律事務所外国法共同事業Baker & McKenzie律师事务所外国法共同事业 東京106 20 4 2 33 6 9 123 -17※3
10 109 910 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業渥美坂井律师事务所外国法共同事业 東京84 8 5 5 23 45 81 3 
11 1110 1033 ビンガム・坂井・三村・相澤法律事務所坂井三村相泽律师事务所 東京72 10 4 2 0 0 4 4 64 8※4
12 27- -- 弁護士法人ベリーベスト法律事務所律师法人very best 東京、札幌、立川、千葉、横浜、大宮、仙台、静岡、名古屋、大阪、京都、神戸、広島、福岡68 0 12 19 126 53 37 31 
13 1313 1111 弁護士法人御堂筋法律事務所律师法人御堂筋律师事务所 大阪・東京61 0 4 3 3 3 4 4 53 8 
14 1413 1616 北浜法律事務所・外国法共同事業北滨律师事务所·外国法共同事业 大阪58 1 5 73 22 7 52 6※5
15 1211 1314 弁護士法人淀屋橋・山上合同律师法人淀屋桥山上合同(律师事务所) 大阪・東京54 0 1 0 36 42 61 -7 
16 3132 -- 虎ノ門法律経済事務所虎门法律经济事务所 東京、大阪、名古屋、千葉、横浜、市原51 0 8 12 52 12 34 17※1
16 1732 4336 鳥飼総合法律事務所鸟饲综合律师事务所 東京51 0 3 4 75 45 44 7 
18 1615 1111 牛島総合法律事務所牛岛综合律师事务所 東京48 0 4 5 3 3 21 47 1 
18 1915 1925 伊藤見富法律事務所伊藤见富律师事务所 東京48 0 3 2 13 43 43 5※6
20 2212 1413 岩田合同法律事務所岩田合同律师事务所 東京46 3 1 0 43 34 41 5 
21 1517 1717 外国法共同事業・ジョーンズ・デイ法律事務所外国法共同事业众达律师事务所 東京45 6 3 4 1 1 2 543 2 
21 1925 2123 田辺総合法律事務所田边综合律师事务所 東京45 0 1 1 03 05 48 -3 
23 2429 2929 弁護士法人中央総合法律事務所律师法人中央综合律师事务所 大阪・東京・京都43 1 3 3 23 52 40 3 
24 48- -- 弁護士法人アヴァンセリーガルグループ律师法人Avance法律部 東京、大阪、名古屋、横浜、大宮、宇都宮41 0 10 9 62 52 26 15 
25 1719 2225 ホワイト&ケース法律事務所White & Case律师事务所 東京40 0 1 1 00 28 44 -4※7
25 2721 2725 クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業Clifford Chance律师事务所外国法共同事业 東京40 5 0 4 42 44 37 3 
25 2427 29- 東京丸の内法律事務所东京丸之内律师事务所 東京40 1 1 0 41 22 40 0 
25 2219 2225 弁護士法人三宅法律事務所律师法人三宅律师事务所 大阪・東京400 1 2 02 22 41 -1 
29 2624 1817 光和総合法律事務所光和综合律师事务所 東京37 0 0 1 02 01 39 -2 
30 3435 3548 桃尾・松尾・難波法律事務所桃尾・松尾・难波律师事务所 東京36 0 3 1 11 32 32 4 
30 1921 22- 隼あすか法律事務所隼飞鸟律师事务所 東京361 1 11 12 3 43 -7 
32 3027 2517 阿部・井窪・片山法律事務所阿部·井洼·片山律师事务所 東京35 2 0 0 12 20 35 0 
33 -- -- 弁護士法人朝日中央綜合法律事務所律师法人朝日中央综合律师事务所 大阪、東京、横浜、福岡、札幌 34 0 10 8 33 21 17 17 
33 2931 3941 奧野総合法律事務所・外国法共同事業 奥野综合律师事务所 外国法共同事业 東京34 1 1 1 12 23 36 -2 
35 3742 435 あさひ法律事務所朝日律师事务所 東京32 0 2 3 11 21 30 2 
36 4042 3941 真和総合法律事務所真和综合律师事务所 東京31 0 1 0 0 0 01 29 2 
36 3737 3420 東京法律事務所东京法律事务所 東京31 0 1 0 20 11 30 1 
38 4018 1920 弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所律师法人曾我瓜生丝贺律师事务所 東京300 1 2 10 32 291 
38 -- -- 弁護士法人港国際グループ 律师法人港国际集团 東京30 0 3 4 64 32 24 6 
40 3230 3141 さくら共同法律事務所樱花共同律师事务所 東京29 0 2 0 11 32 33 -4 
40 3234 3241 三宅坂総合法律事務所三宅坂综合律师事务所 東京29 0 0 1 21 10 33 -4 
42 3637 3941 虎門中央法律事務所虎门中央律师事务所 東京28 0 2 0 12 21 31 -3 
42 -- -- 松田綜合法律事務所松田综合律师事务所 東京28 0 0 2 30 15 23 5 
42 -- -- 弁護士法人愛知総合法律事務所律师法人爱知综合律师事务所 名古屋丸の内、名古屋新瑞橋、津島、小牧、春日井 28 0 4 3 31 31 21 7 
42 3746 49- 弁護士法人小野総合法律事務所律师法人小野综合律师事务所 東京、神奈川28 0 1 1 22 23 30 -2 
42 3735 3536 弁護士法人第一法律事務所律师法人第一律师事务所 大阪・東京28 0 1 1 02 11 32 -4 
42 -- -- 弁護士法人東京パブリック法律事務所 律师法人东京公益律师事务所 東京(池袋)、三田 28 0 2 0 41 55 21 7 
48 -- -- ひかり総合法律事務所 光综合律师事务所 東京27 0 0 2 15 24 22 5 
48 -- -- 石嵜・山中総合法律事務所 石嵜・山中综合律师事务所 東京27 0 3 2 31 21 23 4 
48 4337 3541 名古屋第一法律事務所名古屋第一律师事务所 名古屋27 0 1 3 20 10 28 -1 
            3831 85260 266223 241264 2713615 216 


注意事項

・調査期日において法律事務所名が異なる場合は、実質的に同一事務所でも別異でカウントした(備考欄参照)。但し、特に関係が深いと思われる事務所については注記した。

・前年Rankingとの比較は、弁護士事務所名の変更や法人格取得があっても、実質的に同一組織と思われる場合は、その旧組織との比較とした(例:関西法律特許事務所(2004)⇒弁護士法人関西法律特許事務所(2005))。他方、分裂事務所の場合は単純比較はしなかった(例:三井安田法律事務所(2004)⇒リンクレーターズ法律事務所、三井法律事務所(2005))。但し、分裂したものの商号の続用がある場合及び大半が一方に移行している場合は、その多数派において比較した(例:柳田野村法律事務所(2009)⇒柳田国際法律事務所(2010)。岩田合同法律事務所(2010)⇒岩田合同法律事務所(2011))。

・61期以後の人数を記した理由は、過年度のRankingと比較することにより、若手弁護士が当該事務所に定着する傾向があるか否か(もっとも中途入所もあるので、単純な人数比較で「退職率」を計算することはできない)、その事務所が「上り調子」かどうか(多く新規採用する→忙しい、一般的には流行っている)、その事務所が新規採用を重視しているか・中途採用を重視しているか等を推測可能と考えたからである。なお、期毎の人数増減は記載していないので、過年度の同じリストを併せて見比べて頂きたい。

・事務所所在地について、海外事務所は資本関係等も不明確であるため、記載しなかった。

・「法テラス」を1つの事務所と捉えてランクするのはやめている(08,07年はやった)。

備考
※1弁護士人数に支店と思われる事務所に所属する者をカウントしたが、事務所名からは弁護士法人所属であるか否かが判然としなかった。弁護士法人所属ではないとすれば、弁護士の二箇以上の法律事務所の設置禁止(弁護士法20条3項)との関係で問題となる(組合形式で複数事務所は設置できない)ため、あらぬ疑義を生むことから、法人所属か組合所属かを事務所名によって明確にすべきではなかろうか?
※2全国59事務所(本店・支店)は法テラスを除けば全国最多。
※3旧称「東京青山・青木・狛法律事務所ベーカー・アンド・マッケンジー外国法事務弁護士事務所外国法共同事業」
※4旧称「坂井・三村・相澤法律事務所」
※5別途「弁護士法人北浜法律事務所」(東京・福岡)に弁護士33名及び外国法事務弁護士1名
※6別途「モリソン・フォースター外国法事務弁護士事務所」に外国法事務弁護士31名
※7別途「ホワイト&ケース外国法事務弁護士事務所」に外国法事務弁護士20名


若干の解説

 昨年(2013年)は「一回休み」になってしまいましたので、今年は一昨年との比較となっています。

 一昨年に引き続き、少なくとも弁護士人数の点に絞って考えると、「国内大手、渉外事務所の伸び悩み」と「新興事務所の勢い」が注目されるところかと思います。

 本年度も、新興勢力の急増が目立ちました。4年前初めて25位(弁護士35名)にランクインした、石丸弁護士のひきいる「弁護士法人アディーレ法律事務所」は、本年はなんと6位(弁護士127名)となりました。一時の勢いほどの弁護士数の増加ではないかもしれませんが、しかし2年で弁護士が40名も増加しており、事務所の本支店数は全国59箇所という、今までにない形の事務所が一大勢力となっているのであり、やはり注目されます。  ただ、一昨年、アディーレ以外にも、弁護士法人ベリーベスト法律事務所(一昨年27位)、弁護士法人法律事務所MIRAIO(一昨年40位)、弁護士法人アヴァンセリーガルグループ(一昨年48位)等が初めてランクインしたのですが、「過払いブーム」の終焉のためか、この中には、順調に人数を伸ばしたところもあれば、急激に経営規模を縮小したと思われるところもあります。例えば、MIRAIOは、現在弁護士6名のみが所属している模様です。MIRAIO以外にも、消費者向け事務所の中には、急に経営規模を縮小したところが散見されるようで、「二極化」が見られるようです。

 ここ数年、大手事務所の採用抑制が目立っていましたが、今回も、いわゆる「4大法律事務所」のうち2つが弁護士人数の純減となりました。ただ、面白いのは、5番目のTMIは急激に人数を増やしていることです。アンダーソンを抜くことができる位の人数になっていますので、来年からは「5大事務所」と呼ぶ時代が来るのかもしれません。
 ところで、長島・大野・常松を除くトップ5の事務所が、いずれもこの2年間で支店を設けたことも注目されます。特にこれら4事務所のうち3つが名古屋に支店を設けた点が注目されます。やはり名古屋は全国的にも企業の経営状況が良いとされる場所であり、法務需要が眠っていると言えるのでしょうか。

 外資系では、一昨年見られたような急激な弁護士数のリストラは分かりませんでしたが、人数を大きく増やした事務所もありませんでした。日本の経済的地位の低下のためか、海外からのインバウンド業務が相対的に少ないためではないかと推察されます。

 ただ、業界全体が不況で酷く苦しんでいるか、と言えば、そうでもないのかもしれません。
 50大事務所にランクインするために必要な弁護士人数は、4年前は23名、一昨年は25名、本年は27名であり、全体的には徐々に中堅事務所の弁護士人数は増えていると言えます。50大事務所全体での所属弁護士の人数も増えています。「ペースダウン」したとはいえ、弁護士事務所における弁護士の人数は増え続けているのです。弁護士事務所の規模の拡大は、必ずしも止まってしまった訳ではありません。

 毎年申しあげていることですが、ここに掲載した50事務所に所属する日本法弁護士の数は、合計で、3831名です。ここに掲載したのは、日本の弁護士の1割強の姿しか示していないこと(修習生の皆さん、これら50事務所に入った66期の合計数は260名です、つまり、修習生にとっても、今年も日本の弁護士の1割強くらいの姿しか示していないということになります)、また、これはあくまで所属弁護士数での掲載であって、決して上位だからリーガルサービスが優れているとか、売上が多いとか、そういうのとは直結しないこと、ただ、いま客観的に作れるものが弁護士数に頼るものしかないと思われるからこのような記載になっていることは、十分理解された上で見て下さい。

 ただ他方で、毎年ここで紹介する50事務所の合計弁護士数は、上述のとおりややペースダウンしたとはいえ確実に増加しています。現在ですら、日本の弁護士業界は、欧米と比べて、弁護士の総数を考慮すると寡占状態にあると言えます(更に言えば、中国と比べても寡占状態は著しいです。中国には現在25万人前後の弁護士がいるとされていますが、中国第1位の規模を誇る律師事務所の執業律師数はおおよそ3000名であると言われています)。更に特定の法律事務所に人員が集中することでサービスが向上することが期待できるなら良いのですが、仕事の性質上、利害相反の問題からして、かえってクライアントの利益を損なう結果にはならないのか、業界全体の制度設計として、このままで良いのか、去年同様に気になるところです。

 更なる今年の特徴分析については、追ってHP、メルマガまたはブログに掲載したいと思います。

Contact | Privacy Policy (c) 1996-2014 Copyright Fujimoto University (FUJIMOTO, Ichiro). 藤本大学正門